~共有物の変更・管理に関する規律の見直し~
みなさん、こんにちは。
株式会社Reve 剱持です。
本日は、前回に引き続き共有物についてお話しします。
不動産売買においては、共有物って面倒な部分も多くあり取引の妨げ、不動産価格が下がったりと厄介な部分も多くありますのでご参考までに!!
今回の改正により変更される部分は以下の5項目です。
・ 共有物の変更・管理の内容に関する規律の見直し
・ 賛否を明らかにしない共有者がいる場合の管理に関するルールの合理化
・ 所在等不明共有者がいる場合の変更・管理に関するルールの合理化
・ 共有物の管理者制度の創設
・ 共有物を使用する共有者の義務に関する規律の整備
旧民法では、共有物の変更や管理について、行為の類型毎に以下のような規律としていました。
管理(最広義)の種類 | 根拠条文 | 同意要件 |
---|---|---|
変更 | 旧251条 | 共有者全員の同意 |
(狭義の)管理 | 旧252条本文 | 持分の価格の過半数 |
保存 | 旧252条ただし書 | 共有者単独 |
しかし、旧民法の規定では、共有物に軽微な変更を加える場合であっても、共有者全員の同意を得なければならないなど、円滑な利用・管理が阻害されていました。
そこで、今回の改正では、共有物に変更を加える行為であっても、形状又は効用の著しい変更を伴わないもの(軽微変更)については、持分の価格の過半数で決定できることが定められました。(民法251条1項、252条1項)
なお、「形状の変更」とは、その外観、構造等を変更することをいい、「効用の変更」とは、その機能や用途を変更することをいいます。例えば、砂利道のアスファルト舗装や、建物の外壁・屋上防水等の大規模修繕工事は、基本的に共有物の形状又は効用の著しい変更を伴わないものに当たると考えられます。
<改正民法における共有物の変更・管理・保存概念の整理>
管理(最広義)の種類 根拠条文 同意要件 変更(軽微以外) 新251条1項 共有者全員 管理
(広義)変更(軽微) 新251条1項・252条1項 持分の価格の過半数 管理(狭義) 新252条1項 保存 新252条5項 共有者単独 法務省民事局「令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント」30頁、2021年12月
また、賃借権等の設定については、全員同意が必要な「長期間の賃貸借」の判断基準が明確でなかったことから、実務上、慎重を期して全員同意を得ることが多く、円滑な土地利用を阻害していました。
そこで、今回の改正では、持分の過半数で決定することができる、短期の賃借権等の範囲を明確にしました。(民法252条4項)
持分の過半数で決定できる短期の賃借権等の範囲は以下のとおりです。
なお、借地借家法の適用のある賃借権の設定は、約定された期間内での終了が確保されないため、原則として基本的に共有者全員の同意がなければ無効となります。
ただし、一時使用目的(借地借家法25条、40条)や存続期間が3年以内の定期建物賃貸借(借地借家法38条1項)については、契約において更新がないことなどを明記し、所定の期間内に賃貸借が終了することを明確にした場合、持分の価格の過半数の決定で設定することができます。
なんだか難しくて理解に苦しみますが・・・その都度、内容を確認しながら対応することが大事かと思います。
何でもかんでも法律が変わったから良いとか悪いとかではなく最終手段位に考えて頂ければと思います。
弊社においても東京・埼玉・千葉・神奈川を中心に全国でも不動産売買の相談・管理についても行っております。
何かございましたら何なりとご相談頂ければと思います。
それでは、本日はここまです。
また、来週お会いしましょう。
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